『ごめん…ほんまに悪かったと思ってる…』



聖夜は───
あたしにそう言った。



あの子のところにいたことを認めた瞬間だった。






『信じてたのに…聖夜はあたしを裏切らんって信じてたのに!な…でよ…』


『どうしても…あいつのことほっとかれへんかった…。朝な…メールが届いてん…』


『あんな病人がどうやってメール打つんよ!』



体か衰弱して起き上がることも困難なあの子がメールなんて打てるわけなかった。




『違うねん…親父さんからメールがきてん…』



お父さんから?


訳が分からなかった。





『それでな、手術受けても俺が知香と結婚するんやったら香織が手術受けへんてゆうたらしくて…だから頼まれてん…。せめて手術が始まるまでは香織のそばにおったってくれって…』


『え…』



あたしは言葉が見つからなかった。





『手術の前だけでいいから知香より香織が大事やって思わせてやってくれって頼まれてん…』