もしも穂ノ香が船場のようなハミられポジションならば、

男子や一部女子からデキ婚とネタにされようが、

大半の男子に尊敬プラス憧れられ、大方の女子に色目を遣われ媚びを売られるイケメンをしている少年には、

『振られるけれど受験生だし記念に』なんて気持ちで、勇気ある告白などできない。


不細工男が美女に恋をするなら、

何年も我慢して将来お金持ちになれた時に、それなりの夢は叶うだろうし、

不細工女が好青年に片思いをするなら、

何年間も頑張って将来お金持ちになれた時、

相手が貧乏の場合のみ、それなりの希望は叶うだろうが、

生まれつき美少女や美少年並のチャンスは巡ってこないと、穂ノ香には思えてならなかった。


なぜ、可愛くない船場が格好良いデキ婚に自ら行動をとれたのだろう。


【豚が人間に
 恋しちゃあ
 ァヵンょね笑
 (・_・)(・_・)(・_・)(・_・)】

このように似た者同士の嫌われ者の亜莉紗なんかにイジられ、船場は平気なのだろうか。


【身の程知らず(><)】

穂ノ香はストレートに感想を両手で表した。


彼女は分かっていた。
自分に相応しい相手は嶋で、船場のようにキラキラした少年に叶わない片思いをするのが馬鹿者だと。

好きな人を想い瞼を閉じると、そこは真っ黒な闇だった。