さて、私語でうるさいグループは世間一般 不真面目と思われ敬遠されがちだが、

実際は黙っているだけの大人しいグループだって、例えば今みたいな学級会では何も協力をしないから、彼らと同レベルで、

結局そう、ちゃらちゃらしたメンバーが一言何か告げなければ、

責任が怖くて受け身なだけなのに、自分の性格を控えめとすり替えがちな連中は他人の目を気にするため、

先陣きって動けやしないのだ。


穂ノ香をはじめ、キャラが薄い生徒は存在を消す呪文を唱えることに必死だった。


通常ならば、イベントを盛り上げるグループであるギャル女やヤンチャ男、あいにく三組のそれらの群集は団結を嘲笑う傾向にあったため、

相変わらず教室はまとまりがなかった。


嶋を見れば、彼は相変わらず殻に閉じこもり一人で暗く読書をしているのだが、

血色の悪い生徒を大変美しいと穂ノ香は思う。

病的な雰囲気が不謹慎だが、しっとりしていてかっこいいと胸がときめいた。


一方、世間だとムードメーカーのお調子者は自分から皆を巻き込み、教室を舞台にしてしまい、女子に恋をさせる。

放課後遊びや休日デートの他にもブログやつぶやきなど、とりあえず恋人やツレと仲良しアピールに全力な同世代とは別で、

パフォーマンスがてら他人と絡もうとしない少年の姿勢が、

なぜか彼女には惹かれるポイントとなってしまっている。