葵と花火大会に行って早1ヵ月。


あっという間に学園に登校する日が来た。


あれからメールを交わすくらいで全く会っていなかった。


だって...ね。


彼女でもないのに一緒にいたくはないと思うんだ。


「おはよう!ユリ?元気にしてた?」


「うん。」


夏菜と会ったのは終業式以来だ.....!


「何してたの?」


「あっ...えっと....。葵と1日だけ会って、花火大会に行った。」


「....!?いつの間にそんなに進展してるの!?」


「進展してないと思うけど....。」


「はぁ....?」


夏菜の顔があからさまに呆れ顔になった。




周りのお嬢様達はというと…。


「玲央様!見てくださる?このバッグエルメスで買ったものよ。」


「玲央様!何をなさってたの?」


質問攻め。


玲央は恐らくぐったりとしているであろう。


見なくても分かる。


あれ?


もうひとつ塊が出来てる…?


そこの方も耳を澄ませた。


「葵様!お久し振りですわね!」


「教室にもあまりいらっしゃらなかったし…。」


葵....?


いつ来たんだ?


でも葵が教室来てるところを見るのは初めて。


この教室って王子様的存在が2人いるんだ....!


そう思うと玲央ってますます株が上がったな....。


なんか遠い存在のような気がしてきた....。


夏菜だって本人は気づいていないけど男子からすごい人気があるし....。


今だってクラスの男子たちのが私の隣にいる夏菜をチラチラ見ている。



葵たちの話はあまり気にする内容ではなかったけど、次の一言には驚いた。