しばらく散策していた。


「ユリ?ここでいいか?」


「うん!」


葵がいい場所を見つけてくれた。


「何か食べたいものあるか?」


「えっと....。リンゴあめかな?」


私はりんご飴を食べることがお祭りの定番になっている。


「分かった。買ってきてやるよ。ユリ、その場で待っててな。」


そういうと葵は屋台のなかに消えた。


花火が始まるのを待ちながら空を眺めていた。


その時。


「ねぇねぇ?今1人?俺らと遊ばない?」


「え....?」


見知らぬ男の人が5人私の横に座ってきた。


「ちょっと....。」


「いいじゃん。」


1人の男が私の手を握り、無理矢理立たせてきた。


「やめてください...!」


「あ~いいねその声。逆効果だよ。」


どうしよう...。


このままじゃ嫌....。


一応合気道とか柔道とか空手とか防犯のために習ってきたけど....。


ここで使って騒動にするわけにはいかないし。


葵に迷惑をかけるわけにはいかないし....。


もう少しで連れ去られそうになったとき。