お嬢様の秘密

「私の家、桜井家は代々秋本家の執事をやっております。」


ちょっと待って。


私今まで生きてきて、執事の存在全く知らなかったよ?


それもそうだよね。


都会ではかなり目立つめっちゃボロいアパートに住んでたら『自分の家には実は執事がいた』なんて考えないよね。


実際執事なんてお話に出てくる感じで認識してたし。


現実にいるとは思わなかった。


「なんでそれを先に言わなかったの?」


「奥様がユリ様が学園に慣れてから話せとおっしゃったので.....。」


「玲央がいう奥様って私のお母さんのことだよね?」


「はい。」


「本当?秋本っていう苗字いっぱいいるから間違ったんじゃない?だって私庶民だよ?執事を雇うような家じゃないし。」


「ユリ。理由は俺もよくわからないんだが、これは理解してくれ。」





「玲央。ここからは俺が話した方がいいんじゃないか?」


突然声がした。


後ろを向くと桜井がいた。


「今までどうしてたの?私が学園に通うようになるまで。」


「奥さまはお料理がさほどお得意ではないので、お嬢様が帰ってこられる前に私が作ったり、家事全般を行っておりました。」


「私の家に通ってたんだ。」


小さくうなずいた。


「バレずにすんだのが奇跡です。」


確かに…。


「もう1つ、奥様からの伝言です。マリアには気を付けろ、とのことです。万が一には必ずお守りいたします。」


マリアってそんな危険な人物なの.....!?


会ったことないけど.....。


「話は終わりました。」


かれこれ30分話していた。