お嬢様の秘密

私は今、玲央の部屋にいる。


「お前さ...。今はいいけど男の部屋に入るなら少しは警戒心持てよ?」


「なんで?」


「わからないならいいです。葵に教えてもらってください。」




そう呟いたあと急に玲央は私に向かって深々と頭を下げた。


「どうしたの…?」


「奥さまから許可を頂いた話を2つお話いたします。」


「ねぇちょっと…?その話し方はいつもの冗談でしょ?」


玲央は私に対してこんな話し方をしたことがない。


冗談でやっているようにしか見えない。


「ユリ様。大体はお察しだと思いますが、あなたの執事と私は兄弟でございます。」


「なんとなくそうなのかなとは思ったけど....。」


苗字が同じだし、ちょっと顔立ちが似てたし....。


「ちなみに申しますと、私の下に妹がおります。」


「えっ....!?」


幼なじみだよね私たち....。


15年来の仲なのに初めて知った....。


「それを夏菜は....?」


「おそらくご存知ないかと思われます。」


「どうやって隠してたの?」


「奥さまに誓うべく徹底的に。」


気づかなかった私がおかしい?


どうしてそんなに徹底して隠す必要があったんだろう?