お嬢様の秘密

取り敢えず、成績ごとに振り分けられた教室へ向かう。


「夏菜?これって何のためにやってるの?」


「えっとね....。教室を振り分けているのは夏休みの宿題に関係あるらしいんだけどね。

いい成績を取ると宿題がないのよ。ただそれだけなんだけどね。」


すごい優越感。


これをこんな形で味わうとは。


「これは全クラス共通なんだけど、文化祭の案内もされるの。」


「へぇ....。」


文化祭か....。


何やるんだろう?






教室についたので指定の場所に座る。


だけど葵と私と夏菜と玲央しか来なかった。


「マリア様はいらっしゃらないのね....。」


先生が生徒に向かって敬語を使う。


不思議な気持ち。


「まぁ...いいでしょう。」


そうポツっと呟いた先生。


「では文化祭の説明に入りたいと思います。」


先生1枚プリントを配った。


「文化祭は夏休み明け、9月の3週目にあります。細かいことは各執事に聞いといてください。」


説明が....雑すぎる....。


「続いて旅行についてですが、最低でも夏休みが終わる1週間前には帰ってきてください。

でないと外との入口が塞がれてヘリからしか入れなくなってしまいますので。」


ヘリからか....。


それは避けないとね....。


「では、今から1ヶ月半夏休みですので。お気をつけて。ただし、夏休み明け3週間後の文化祭を忘れないようにね。」


これで終わりとなった。



「なあユリ?」


先生が部屋を出たあと、玲央がこっちに来た。


いつもの教室とは違って普通に話せる。


「今から俺の部屋に来ないか?言いたいことがあるんだが....。」


「何?急に。別に暇だからいいけど....。」


「じゃあ後でな。場所はお前の執事が知ってるだろうから。」


そう言って足早に教室を去っていった。


何だったんだろう.....?