-シルバーside-


―コンコン


深夜2時....?


この時間に訪問するなんて無礼者か相当大事な用件なのね……。


私は少し目を開けた。


「国松。どなたがいらしたの?」


「理央でございます。」


理央....。


こんな失礼な時間に来ることなんて普段の理央なら絶対しないのに……。


私はたまたま仕事の都合で家に帰らず学園に残っていたけど……。


よっぽど大事な用なのかしら?


「通してちょうだい。」


すばやく身だしなみを整えた。




「何の用?」


「こんな夜分におたずねして申し訳ございません。」


軽く会釈する。


「奥様のお耳に入れたいことがございまして。」


私の知らない事?


「何かしら?」


「私がお仕えするお嬢様....。ユリお嬢様のお部屋に毎晩黒い薔薇が届けられるのですが、何かお心当たりはございませんか?」


「なぜ私に聞くの?」


「奥様はユリ様のことをお気にかけていらしたご様子でしたので。」


「なぜあなたが報告してくるの?ユリさんに言いに行けって言われたの?」


「いいえ。私の独断でございます。

空き教室でのお嬢様たちの会話を聞いていたのですが、ユリ様は夏菜様にシルバー様にご相談されることを渋っておられましたので。

お嬢様は滅多に人には相談されない方ですから。」


「そう....。」


黒い薔薇ね....。


「黒いバラが届けられるのは今日で2日目にございます。」


「わかったわ、国松。今すぐ調べなさい。」


「かしこまりました。」


「これでいいわね。私もしらべるわ。分かり次第報告します。」


「ありがたき幸せにございます。」


「その言い方は大げさね....。」


後日分かったことなのだけれどユリさんに黒い薔薇を送った人は分からなかったの。


でも....心当たりはある。


だけど証拠は見つからない。


徹底されてるわね....。


-シルバーside end-