「で?」


「何でって?」


「高澤君!超カッコいいよね!タイプじゃないけど。」



今、夏菜は私の部屋に来ている。


入った途端にものすごい勢いで怒られたけどね。


今日は梶原さんはいなくて、この部屋には夏菜と私と桜井しかいない。


改めて思うけど人が来ても広いんだよね....。






「そうかな....。私そういうの興味ないから。アイツが同じクラスだったの今日知ったし。」


「うっそ!今日知ったの?でもユリなら納得できるかも。」


今までだってクラスの人を全員覚えたことがないし。


-ピロン


急にメールの着信?


「携帯なってるよ?」


「大丈夫。メールだから。」


「誰からかな?」


私はメールを見た。


“とりあえず俺の部屋に来い。”


高澤くん....?


いつの間に私の番号を知ったの.....?


「誰だった?」


「高澤くん。学園の王子様だよ。」


「...そうか。なんて送ってきたの?」


「とりあえず俺の部屋に来い、だって。どこか分かる?」


「知らない...。っていうか、他の人は分かるのに、高澤くんの部屋って誰も知らないことで有名なんだけど。」


「なにそれ....。桜井、どこか分かる?」


こういう時に執事に聞かなきゃ!


「8階でございます。しかし、偶数フロアは男子専用なので入れません。」


「じゃあ、高澤くんは私の部屋にどうやって入ったの?」


「それは私にも分かりかねます。」


「じゃあ今からユリは学園の王子様と密会!?」


「大げさな...。私、そういうの無理....。お嬢様方の恨みを買うよね必然的に....。」


「ユリはその手に関しては苦手だもんね....。」


ハァ.....。


人のこと、考えろ!高澤!


って言いたいけど言えないんだ....。