案の定、玲央は注目の的。


「玲央様!!お久しぶりね。」


「まさか戻ってきてくださるとは!!」


戻ってくる……?


夏菜と思わず顔を見合わせてしまった。


しかしね....。


お嬢様たちにじろじろ見られながら校舎の方に向かって歩くのはとっても気味が悪い....。



私は、さっき気になった疑問をぶつけてみた。


「玲央?ここに来たことがあるの?」


「えっ?あぁ。昔俺が半年くらい学校に来てなかったことがあっただろ?

そんとき、俺ここに来てたんだよな。あいつらが言ってんのはそれだと思う。」


そういえば小学校の時にそんなことあったな。


でも、小学校って3年以上は前だけど……。


よく覚えていたな。


「えっ?玲央ってここ来たことあるの??」


いつにない夏菜の驚きぶり。


「というか、玲央は慣れてるかもしれないけど、私とユリ、めっちゃ見られてるんだけど....。」


「ほっとけば。」


いつもより冷めてる。


本性の女嫌いが存分に発揮されてることでしょう。


さぁ、そんな会話をしているうちにやっと建物に着いた。


後ろを見てみると.....。


だいたい1km位??


だけど直線じゃない。


侵入者が入った時に生徒に危害が及ばないよう、そして迷い込むように迷路みたいになっているんだ。


「ユリ.....。私、この敷地内の構図....覚えるのが難しいよ....。」


「まぁまぁ....。」


「いいよね。ユリは。一瞬見ただけで何でも覚える驚異的な記憶力を持ってるし....。」


「あはは....。」


絶対にそんなことはない。