そしてお互いの顔を見合わせた。


ちょっと.....。


この距離.....。


今まで意識したことなかったけど.....。近くない!?


なんか顔が火照ってきたような....。


「夏菜....。そんな顔を真っ赤にするなよ....。」


「そういう玲央だって顔赤くなってるじゃない!」






「はーいストップ!!!」


「「え?誰?」」


急に話に入ってきた。


「私が奥の部屋にいること忘れてたでしょ?」


クスクスと笑いながら入ってきたのは莉依紗様。


「申し訳ございません....。」


「いいのよ。私も聞いてたかったし?」


え?


聞かれてたの?


恥ずかしい.....。


「でも、玲央?イギリス留学は避けられないからね。お義父様の命令は絶対だから。」


急に真剣な表情になった。


「十分承知しておりますわ。」


「さぁ....。もう話は終わりかしら?」


「「はい。」」


そうか....部屋を借りてたんだ....。


忘れてた....。


「お貸しいただきありがとうございました。....じゃあ夏菜、もう帰ろうか。」


「うん。」


さっと立ち上がり身だしなみを整えると、玲央に手をつながれた。


莉依紗様の前なんだけど……!!


「「ありがとうございました。」」


軽く会釈をして、部屋を去った。


来た時より心が軽くなった。