お嬢様の秘密

-夏菜side-


昔祖母から聞いたことがある。


『行きたいと願えばたとえ場所を知らなくてもいつかはたどり着ける』って。


ホントかな....?


学園長室はあの事件でお世話になったからすぐにいけるんだけど。


多分そう言う意味の場所じゃないよね。


自分が望んでいる未来だってお母様が解釈してくれたような気がする。




-失礼します


一声かけて開けてみたけど……


あれ?


誰もいない.....。


「莉依紗様?」


いないってことは何処かへ出かけてるんだ....。






私は学園長室の部屋の中央に置いてあるテーブルに近づいた。


ん?


置き手紙?


宛名は....『夏菜さんへ』って私!?






夏菜さんへ


沙那から連絡があってこの部屋を空けました。


奥にいるので安心してくださいね。


玲央と話が終わったらユリさんに渡したいものがあるの。


まぁ.....それは後でいいわね。


ちゃんと話すのよ?


後悔はしないようにね。


莉依紗