お嬢様の秘密

「まったく....。話したくない気持ちもわかるが....。」


長い溜息をつかれた。


「玲央。今の話は聞かなかったことにしてくれ。」


「かしこまりました。」


「取り合えず事を急ぎたい。できれば1年以内にSランクを取ってきてほしい。」


俺だって早く帰りたいし。






「理央、入ってきて良いぞ。」


物音をたてずに入るところは流石だと思う。


「理央。これを受け取れ。」


入ってきた兄貴に封筒が渡された。


「よいな。それでは急いで帰れ。私はこれから用事があるのじゃ。」


「「かしこまりました。」」


会長室を出たころには外はとっくに日が暮れていた。






帰りの車で。


「玲央。ユリ様の執事は俺がするから。」


「ってことはユリが後継ぎだな?」


「そういうわけではない。少なくともお前が帰ってくるはな。」


「いつから?」


「今現在から。旦那様からいただいた封筒にユリ様の執事をやれと書かれていた。玲央が帰ってくるまで。」


「そうなのか....。」


「ただし、真理亜がまた厄介な行動を起こさぬよう教室などには着いてくなとも書かれていた。

校舎内では梶原に任せるということだそうだ。」






学園についたのか兄貴は車をゆっくり止めた。


「早く帰って来いよ。ユリ様や夏菜様のために。」


俺の目を見ず兄貴は話した。


「あぁ。了解。」


俺に言うなよそんなこと。


誰よりもわかっているからな.....。