「ユリ……。あのね?最近だけど玲央と口喧嘩しちゃったの。悪いのは私だけど……。」


え?


何があったんだろ?


「話して?」


「玲央が最近何か隠し事してるの知ってた?」


「え......?全然気付かなかった....。」


「今まで私たちのあいだで隠し事とかあまりなかったし、言いたいこととか相談したいこととかすごく言い合える仲だったよね?

だから玲央に『話して?』って言ったら何でもないって言い返されちゃって...。

私って玲央に信用されてないのかなって。いつも玲央ってユリになら何でも話していたじゃない?」


「最近知ったけど玲央は私の執事だったしね....。」


どうして気づかなかったんだろう....。


玲央が代々秋本家の執事をやってる一家ってことや、最近玲央の様子がおかしかったこと....。


私たち何年も幼なじみやってるのに...。


「私が玲央に話してみようか?」


「いいよ..別に....。そんなことより花見を楽しもうよ!こんなに綺麗に咲いてるし。」


「夏菜がいいならいいけど....。」


後で玲央を呼び出して聞き出してみよう。


アイツは夏菜の前では意地張って何も話せてないから。


好きな人の前で意地張るもんじゃないのにね.....。


それをどうして夏菜は気づかないんだろう....。


和を嗜む一家の美少女は恋愛に鈍感?