「.....よく聞けよ、玲央。お前には3月の修了式から執事試験を受けに行ってもらう。」


は....?


俺、まだ高1だけど?


「何言ってんだよ、兄貴。俺はまだ....。」


否定したい言葉をつぐんだ。


兄貴の顔は真剣なものだったから。







「大丈夫だ、玲央。俺が半年で取れたからお前も取れると旦那様がおっしゃってくれた。」


「だけど!イギリスだろ??」


「だから半年で帰ってこればいい。」


「ユリはどうすんだよ!俺、一応第2執事だから兄貴の代わりをしてんだぞ!ユリの執事は誰がやるんだ」


「....……旦那様からまだ聞かされていない。」


「兄貴はどうすんの?」


「旦那様のところに仕える。」






兄貴はどう思ってるんだ?


「兄貴?兄貴はそれでいいの?」


「旦那様の判断だから。俺には何もできない。」


「兄貴さ....。」


「なんだ?」


「ユリのこと好きなんだろ?」


兄貴が目を大きく見開いた。






「.....なんでわかった?」


「ユリに仕え始めてからの兄貴は、なんか変わったぞ?無表情だった顔に明るみが出た。」


あの女に仕えていた頃とは様子が違う。