-理央side-


アイツも成長したな……。


玲央と話した感触。


俺らは常に執事としての価値、レベルを競うためにあまり仲良くしてこなかった。


小さいころからだし。


莉依紗奥様や沙那奥様のようには仲良くなれないと思っていた。


あれから時が過ぎたとまた実感した。




ん?


この音は…。


旦那様のパソコンの音か。


俺と旦那様に限らず、秋本家に携わる大体の人はパソコンでTV電話のようにして旦那様と会話している。


沙那奥様は今はあまりやっていらっしゃらないと聞いたけど、莉依紗奥様はよくおやりになっている。


「理央、今どこにいる?」


「旦那様、少々お待ち頂けますか?隠れ場所へ移動致しますので。」


「おぉ....。すまんな。」


言っちゃ悪いが、孫が危険な目に遭いそうになっているのに呑気な方だ。


しかし主人に文句を言うわけにはいかない。


つけられていないことを確認し、学園内の限られた人しか入れないエリアへ移動した。







俺はもう一度パソコンを開けた。


「お待たせして申し訳ございません、旦那様。」


「それぐらいきにするな、理央。秋本家のガレージに移動したんだろう?」


「そうでございます。」


旦那様は物事を見通すことがお得意だ。