-玲央side-

あれから時が少し流れた。


事件もだいぶ落ち着き、元の日常が戻ろうとしていた。


変わったのは、俺や夏菜も優等生制度を頻繁に使うようになったこと。


だから毎日制度を使っている者同士で集まっている。




今日は兄貴と2人で学園内を散策中。


俺から誘ってみた。


意外にもすぐに了解してくれた。


「仲いいよな....。莉依紗奥様と沙那奥様....。」


ポツリとつぶやいた俺。


「急にどうした?」


フラワーガーデンのベンチに腰かけた。


「そういや兄貴とまともに喋ったことあまりないだろ?」


正直俺は兄貴が苦手だ。


「正直俺、玲央のこと苦手だったりするんだよな。」


苦笑まじりに答えた兄貴。


「マジで....。俺と同じこと考えてる。」


「親父達は仲いいのにな。」


「たまには兄貴とゆっくり話してみたい。」


「これから大変だろうしな。」


急に真面目な顔になった。


「兄貴?それどういうこと?」


「真理亜様だ。あの精神状態は危ないとジャックが言ってた。」


兄貴の情報は頼りになるだろう。


なんだってSランク執事だし。