-沙那side-


雷也がバタバタと部屋に来た。


「奥様!裃から電話です。」


何かしら?


ユリのことで何かあったのかしら。


とりあえず雷也から電話をもらった。


「変わりました。国松?」


本人が出ることはない。


執事に任せるのが暗黙のルールだったりする。


「沙那?」


「お姉様?どうしたの?」


莉依紗は私の姉。


でもこんな興奮したような姉の声は聞いたことがなかったから思わず姉を疑ってしまったわ。


「ユリが見つかった。今私の屋敷にいる。」


「ホントに!?あぁ……良かった……。」


「今から来てくれる?門番には許可を言っておくから。」


「分かりました。」


ユリが……!


良かった!!


無事を喜ばない親がどこにいることか!


「雷也、国松に電話を入れてちょうだい。今から行くって。裏門開けるようにって。」


「かしこまりました。」


裃まで1時間くらいか?


ユリたちが転校したときはわざと回り道して行ったらしいから時間かかったけど。


「車はいい?」


「はい。」


「飛ばして。免停は私が責任持つから。」


「30分で到着いたします。」


「分かったわ。」


私はお姉様もとへ急いだ。


-沙那side end-