-真理亜side-


私は地上に出た。


その数分後に夏菜さんたちが地下に入っていった。


私が視線を投げ掛けてみたが3人は誰も気づかない。


一応あの方達だってまあまあ高貴な家系のくせに……。


警戒心というものがないのかしら?


そういえば理央様はどこにいるの?


いつものように合図を出そうと思ったけどその手を握られた。


「お止めくださいませ。私めはここにおりますので。」


「理央様……。」


「見張りを抜けてきました。申し訳ございません。」


「どうして私がここにいると思ったの?私がいるのはフラワー宮だと思ったでしょ?」


最近は調子を崩してて長距離を歩くことは滅多になかったから。


ユリと会った時は近くまで付いて来てもらったわ。


「実は…。ジャックから連絡があったんです。お嬢様がお呼びだと。」


「あなたはどうやって地上に出たの?」


「フラワー宮からでございます。さすがに少し距離がございました。」


そう言う理央様は疲れを見せていない。


「お嬢様。」


「何かしら?言ってごらんなさい?」


私は理央様に抱きついた。


それを無理やり引き剥がされた。


「真理亜様。只今にて私との執事契約は破棄になります。」


「なんですって!?」


「私は誠一郎様にまたお仕えさせていただきます。」


「お祖父様に!?」


じゃあ……。


後継ぎの座は……。


もう一回決め直し………。


理央から離れた私の体はへなへなと地面にしゃがみこんだ。


何のために理央様を手に入れたと思ったの…!


今までの苦労は何だったのよ!?


いいわ。


学園秘伝の伝統バトルで私の思い通りにしてやる……!



でも、準備が必要ね……。


今から取りかからなきゃ…。


-真理亜side end-