-夏菜side-


入口に着いた。


「夏菜さ「呼び捨てでいいわよ。」


「じゃあ夏菜。入口に着いたから入るわよ。だけど....。」


あたりを見渡してるってことは外の見張りを必要としてるのかしら?


「美穂...。もしかして見張りが必要?」


「そうなの。念のためにと思ってね。」


「じゃあ梶原をつけておくわ。」


梶原はどうやらこっそり私たちの後を付けていたみたいだし。


「ありがとう。」


2人で微笑みあったところで、私の携帯が震えた。


「誰だろ?」


「出ていいよ。私は待ってるから。今のところ安全だと思うわ。」


「ありがとう....。」


とりあえず出てみようか。


相手表示は高澤葵と出ていた。


一応ずいぶん前に教えてもらってたんだけど、一度も連絡を取り合ったことはなかった。


「もしもし...。」


「浅井?今喋ってても大丈夫か?」


「いいけど....。どうしたの?高澤君。」


「俺も行くから待っててもらっていいか?」


「莉依紗様に許可は頂いた?」


「あぁ。その点は大丈夫だ。」


「じゃあ待ってるね。」


高澤君の声はとても焦っていたように聞こえた。


やっぱりユリのことが好きなんだろうな....。


ちょっと....いや、かなりうらやましい。