-真理亜side-


とうとう動き出したわね…。


それだけあの女が大事なの!?


私が助けてあげると言ったのに。


聞く耳を持たない学園長ね!


あなたの秘密をバラしてやる!


ープルルルル


電話?


「はい。」


「真理亜様、ジャックです。」


久しぶりにジャックから電話がかかってきた。


私の執事でもあるけれど学園の校医でもあるのでそちらの方の仕事が忙しいみたい。


「珍しいわね…何?ていうか今どこにいるの?」


「フェンシング場です。もしもの時は私にお任せください。」


そういえばジャックって私の警護のためにフェンシングとか格闘とかをすごく磨いていた。


その腕はかなりのもの。


昔大会に出た時優勝したらしい。


「裃学園にはどんな権力にも対抗できるほどに決定権を持つ伝統バトルがございましたね………。

後継者争いを一気に終わらせたいときに昔はよく使われたそうですね。」


つまり…………


「正々堂々と戦えって言いたいの?格下相手に?」


「見くびってはなりません。」


執事に警告されるなんて……。


この私が……。


私のなかで何かがプツンと切れた。


私が壊れていくような……。


「あなたの言いたいことは分かったわ。とりあえず切るわよ。」


プチッ。


作戦変更。


ユリを解放する。


後継ぎになるためにはSランク執事がいさえすればいい。


もともと拉致して監禁したのは安田たちだし。


私には関係ありませんわ。


ユリなんて敵にもならない。


私を怒らせるから…!


-真理亜side end-