-夏菜side-


もうすぐ会える!


作戦を立てたときから私は興奮しっぱなしだった。


やっと救える。


やっと話せる。


やっと笑える。


長年の幼馴染みにようやく会える。


私はユリがいないとダメダメになっちゃう。


でもそれだけユリが大好きで。





「夏菜様…。」


「どうしたの?美穂さん?」


一応年上だから“さん”付けしないとね。


「呼び捨てでかまいません。今まで本当にすいませんでした。私、ようやく目が覚めたんです。」


「真理亜様はそれだけの人なんでしょ?人の心も操るのね…。」


「理穂から誘拐罪の隠蔽を引き継いだときはなにも考えていませんでした。

だけどそのあと恵梨香様から連絡があったんです。“理穂が私を訪ねにきた。安全のため、暫く預かる”と。
最初驚きました。どうして、私に何も言ってくれなかったのかと…。

こう見えても私は妹が大好きで……そして理穂から直接話を聞き、目を覚ましました。」


「その話はユリにした?」


「ここまでは……。」


「じゃあしてあげて。」


「え?」


「あの子はちゃんと分かってくれるわよ。」


ずっと見てきた私が保証するわ。


「分かりました…。」


美穂は私の方を見て少し微笑んだ。


少し打ち解けた私たちだった。


-夏菜side end-