お嬢様の秘密

-莉依紗side-


夜になったわね....。


暗くなる1時間前に夏菜さんと美穂はフラワーガーデンに向かった。


『怪我もせず戻ってきます。安心してください。』


そう言い残して。


全面ガラス張りの会議室の窓は真っ暗で何もうつさない。


お昼間には学園全体の景色が見えるけれど。


今ここには私しかいない。


大樹は急な用が出来て会社に戻ったし、他の人は隣の部屋にいる。


1人しかいない落ち着いた空間。


気味悪く感じる。






―プルルル....


書斎に電話の音が鳴り響く。


私は受話器を取った。


「はい。」


「学園長?」


電話の相手は………


「真理亜....。一体何の用?」


「学園長は今からユリさんを救うんでしょ?そんなことをしなくても助けてあげるわよ。」


「何が目的?あなたが欲しいのは財閥後継者の座でしょ?じゃあ何も行動を起こさなかったら確実だったのに。」


「良くお分かりで。」


「条件でも出すの?」


「もちろんでございます。あなたの秘密をばらすわ。」


「それプライバシーの侵害よ?」


「そんなことは知らないわよ。私にかかればそれくらいなんとでもなるわ。」


頭がおかしくなってる。


昔の恵梨香みたい。


真理亜を産みたての頃....。


そして親友を解消したころの恵梨香に....。


「あなたの言うことなんて聞くわけないわ。」


―ガチャ


私は裃の学園長。


一番大事なのは安全にかつ助けること。


危ない橋は渡らせない。


-莉依紗side end-