お嬢様の秘密

―ガチャ....


ボーっとしていた時、私がいる部屋のドアが開いた。


誰....?


「理央...。何でここに?」


「ユリ様を見張るためでございます。」


「理央って....。」


「私は真理亜様の執事でございます。」


「理央....。」


分からないことだらけのこの学園を優しく教えてくれたのはあなただったわよね?


出会ったときは無表情だったのにずっと一緒にいて、いろんな表情を見せてくれるようになったわよね?


信用してたのに....。


信用心を失った私を救いかけてくれたのに....。


真理亜様の言うことならなんでも聞くのね。


それもそうか。


執事は気持ちを考えず仕えるものなのね。


そう思うとなんか心の中に黒い靄が掻き立てた。


「そう。じゃあくれぐれも見放さないように監視するのね。」


今までに自分でも聞いたことのない、低く....どんなものでも凍りそうなくらい冷たい声で告げた。


理央が片眉をピクッと釣り上げたのを私は見逃さなかった。


―バタン


告げることがなくなったようで理央は部屋から出ていった。






―グスッ....


目から涙が出てきた。


ダメ...。


ここで泣いたらダメなのに....。


そう思えば思うほど涙は止まらない....。


誰か助けて....。


そういう思いがあふれていた。