お嬢様の秘密

「資料で見たことがあるよ、りい。本物のゴールド宮は隠したって。理由は未来に永続するため。そして、ランク制度で犠牲になった生徒を弔うため。

金銭的な面で立ち回らなくなって自殺してしまった生徒も何人かいたみたいだし。一般の私立の学費で通えるようになったのはそれから少しあとのことだから。

だけどそんなことを考えない輩は必ず学園を捜しまわる。その時のためにダミーを作るって書いてあった。あの学園の創設者が分かった資料でね。」


「なんで言わなかったの?」


「俺だってヘリに乗っている時資料を漁って発見したんだ。言おうとしたら美穂が来るし。

まあ....そのダミー宮であるフラワー宮は親父が建てたけど。」


「なんかすいません....。秋本社長。」


「そう言えば美穂って安田の....。」


「そうです。」


安田の令嬢だということを再確認したようだ。


「大樹?資料ってどこに置いてあったの?」


「資料?家の倉庫。」


「え?もしかして....。」


「何?」


「真理亜って初等部に通う前は秋本家の屋敷に住んでたでしょ?その時に資料を何らかでたまたま見たんじゃない?

それでゴールド宮を知って...。小1でこの学園に入った時からずっとこの学園を捜しまわってゴールド宮を見つけた。だけどそれはダミーだった。」


「本物探しに必死なのね。」


「とりあえず....。美穂、あなたがユリを救って。」


「シルバー様は?」


「私はここにいるから。あなたが責任もってこの屋敷に連れてきなさい。今日は金曜日だから明日は学校が休み。徹夜くらい大丈夫でしょ?みんな成績トップだし。」







「莉依紗様!」


「何?夏菜。」


ずっと黙っていた夏菜が私を呼んだ。


「私もユリを助ける。だから美穂と一緒に行かせてください。」


「美穂はどう思う?」


「夏菜様。一緒に着いてきてください。夏菜様がいらっしゃった方がユリ様の精神状態も安定するでしょうし。」


話はいったんまとまった。


今はユリさんのことを優先させましょう。


美穂、お願いよ....。



「みんな解散。美穂と夏菜さん以外はここで待機よ。」


「「「「はい。」」」」


勝負は今夜。


頼むわよ。


-莉依紗side end-