-莉依紗side-


会議室に畳を引き、みんなが座れるように手配した。


私がみんなに抹茶をいっぱいずつ点て、一時穏やかな空気が流れていた。


話し合いをするときはどんな状況にあっても必ずお茶を点てろというのが母が開いた流派の信念。


私も一応守ることにしている。


「やっぱり莉依紗のお茶は美味しいわね。夏菜さん知ってる?

莉依紗は学校一お茶が上手かったのよ。当時の学園長とか、どっかの財閥の社長とかにもお茶を出してたの。」


「へぇ~!さすが莉依紗様ですね!」


「お母様に頼まれただけなんだから。めんどくさかったのよ?休みの日まで正装させられて。」


「上手いから良いじゃない。」


「恵梨香には分からないでしょうね。あなたは隠れ学校一の茶道お家元のお嬢様だったんだから。

なんで私が点てなきゃいけなかったのかしら??」


「あのね!今はぜんぜんちがうんだから。それにもともとお家元出身の私より評価が高かったじゃない....。」


「奥様、恵梨香様。もうお止めくださいませ.....。」


玲央が止めてくれた。


基本竜也は玲央に経験を積ませるためにあまり口出ししないからね。


親子で執事もすごいわよね。


で、そろそろ本題に行かないとね。


「美穂。」


「はい。」


「知ってることを話しなさい。良いわよね。」


「はい。でもお役にたてるかどうか...。」


「そんなの聞いてから決めるわよ。とりあえず話しなさい。ユリはどこにやったの?」


「それは....。先ほど皆様が集合されていた場所の下でございます。」


「「「「あそこの下にいたの!?!?」」」」



いた人みんなで大合唱。


冷静沈着な執事でさえも。


おかげで、吉崎や竜也の意外な反応が見れた。