-美穂side-


なんてことを.....。


ユリをみているといつも考えてしまう。


私は一介の会社の令嬢として物心つく前から厳しく躾けられていた。


友達なんていない。


両親は常に私に厳しかった。


愛情なんてものはない。


後継ぎとしての期待しかなかった。


いつしか私は笑わなくなっていた。






そんな時私を笑わせてくれたのが理穂だった。


妹を初めて抱いた時、なにか心に温かいものが流れた気がした。


両親は私が笑ってるのをみて驚いていた。


5歳下の妹は家族の華だった。


今....妹が高1、私が大3になってもそうだった。


私だと思っていたのに、後継ぎは....。


私より優秀に育った理穂になるのではないかと使用人たちが噂するようになった。


いつしか私は妹に嫉妬心を抱くようになり、妹との溝を深めてしまった。


そんな中起きたのが理穂がユリさんを誘拐し、滅多に使われていないホールに火を付け、真理亜様にお金をもらって行方をくらませたという事件。


妹は真理亜様に経営資金がわりに1億渡すからユリを殺せと命令されたと言っているけど....。


真理亜様が事実をねじ曲げようとしているので簡単に話は解決しないだろう。





でも、私にとっては理穂は宝物だ。


頭を冷やしてよくわかった。


妹を傷つけた真理亜様を許さない。


シルバー様に私の知っていることをお伝えしよう。


理穂のために。


-美穂side end-