お嬢様の秘密

「あとは恵梨香ね....。」


「奥様と一緒に行動されたのでは?」


「それが途中ではぐれたのよ。」


「はぐれたのですか?電話はかけましたか?」


「大丈夫よ。あと1分で来るから...てそこにいるじゃない。」


「ゴメーン!莉依紗、ちょっと真理亜のところ行ってた。」


「「「真理亜のところ!?」」」


つい、俺ら3人の執事も真理亜と呼び捨てしてしまった。


「し、失礼しました。奥様、恵梨香様。」


「気にしないで。あの女のことなんて呼び捨てにしなさい。それにあなたと同級生なんだしね。」


「呼び捨てって。あのね....仮にも母親の前で....。」


「まあいいじゃない?」


「そうだけど....。」


「お、奥様....。」


「あっ...ゴメンね。」


「親父を呼んでいいですか?」


「竜也?そうね....良いわよ。みんなここに集合したんだし、竜也にも来てもらわないとね。」


「かしこまりました。」


ここには奥様の執事がいないから俺が呼ばなくてはいけない。


「...あっ?親父?すぐ来て。」


一言でいいや。


すぐに来るし。


携帯を閉じた時、夏菜が俺の腕をつついてきた。


「玲央?竜也さんって....。」


「俺の親父。」


「だから車で....。」


「そうそう。一応許可をって思ったんだけど、結構ばれてるし。」


「大丈夫なの?」


「じゃあ聞いてみる?莉依紗様!夏菜に言いましたよ。俺の親父は莉依紗様の執事だって。」


「………2人ともちょっと来なさい。」


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