「私は外で待ってるからね。」


そんなことわかってる。


逃げないようにするためだってことぐらい。


私は美穂の迷惑にならないようにさっさと入った。







「ごめんなさいね。お湯のおかげで足の感覚を少しは取り戻せたみたい。」


「えっ?あなたもう入ったの!?」


美穂が驚いている。


そりゃそうか。


一応私もお嬢様学園の生徒だし。


「待っててもらうの大変だと思って。仕事だとしても。」


「あなた...そんなのでは生きていけないわよ。上流社会は。」


「えっ?私にはそんなの関係ないわよ。庶民だし。」


「じゃあなんでこの学園に来たのよ。」


「さぁ?そのことは私が聞きたいことなの。」


誰も教えてくれないし...。


庶民からしたら異常に高い学費だってどうやって払っているのか分からない。


「あなた変わった人ね。」


「そう?.....ねぇ。風呂場には監視カメラついていないの?」


「ついてないわよ。音声カメラはついてるけど。」


「じゃあ…こんな大声で話してて大丈夫なの!?」


「大丈夫よ。電源切ってきたから。」


「じゃあさっき部屋が暗かったのは....。」


「私が電源を切ってきたから。」


「良かった。」


だけど美穂が私のことを聞いてくるなんて初めてだ。