-莉依紗side-


学園に戻ってきた私。


とりあえず学園長室に入った。


「もうお昼ね...。ご馳走するわ。」


「いいえ、私にやらせてください。貴重なユリの情報や学園の機密を教えてくださったお礼の1つでも返させてください。」


「そう?じゃあお願いするわ。」


葵は携帯を出して吉崎に連絡した様子。


「葵?普段吉崎ってどこにいるの?あまり見かけないけど....。」


「吉崎は実家にいます。親父の執事もやっているので。」


「へぇ~」




大変ね。


吉崎ってベテランみたいだけど....。


吉崎ってどこかで聞いたような.....。




「葵?吉崎ってこの学園出身?」


「え?なんでお分かりになったんですか?昔ここに執事科がありましたよね?その卒業生ですよ。」


「じゃあゴールド宮の場所知ってるかな?葵たちに仕える前はどこにいたの?」


「俺の家は執事は代々継ぐものじゃないですからね....。えっと....西月家?

あまり自分のことを話したくない様子なので聞かないようにしてるんです。」


「嘘...….。」


やっぱりあの吉崎だったのね。


面影があまり残っていなくてわからなかったわ。


「どうなさったんですか?」


「葵、今すぐ吉崎に私の家に来るように言って。」


「は....はい。分かりました。」


私は踵を返しコートを羽織った。


―パンパン


竜也が現れた。


国松は警視庁に用事があるらしかったから戻って行ったの。


「聞いてたでしょ?用意して。」


「かしこまりました。」


あとは....恵梨香ね。


-莉依紗side end-