「話が長くなってごめんなさいね。」


「質問していいですか?なんで場所が分からないのにさっき警視総監にゴールド宮の地下と仰ったんですか?」


「ん....女の勘!あの学園のどこかにある地下を探せばいいの。

まぁ...……地下がどの辺にあるのかもも急死した人のせいで何も伝えられていないから、らしい、としか言えないけど。」


葵が眉を少し寄せた。


「そこまでお話を知っているのに...。今までなんで探さなかったんですか?」


「私、ゴールド宮は昔探したことあるのよ。だけど見つからなかったの。その後からは仕事の都合で探している時間がなかったの。」


「なんで見つからないのでしょうか。」


「さぁ?だから、私は諦めたわ。謎は謎のままの方がいいわ。」


「ゴールド宮に纏わる話.....誰か知ってる人は..。」


「多分いないわよ。この話は学園長にしか受け継がれていないはずの話だから。二度と復活しないようにね。

だけど....なんで復活しかけてるのかしら?」


「真理亜によってですか?」


「そう。権力欲しさかな?統率者であるGランクの生徒を支える人たちのことをシスターって呼んでたんだけど、それに当たる理穂たちが真理亜の命令に従ってるでしょ。」


「確かに.....。」


どうしような……。


「でもとりあえずユリさんの居場所探しが先ね。」


「そうですね。」


「一旦出ましょうか。」


「はい。」


ちょうどいいタイミングで国松が扉を開けた。


「奥様、お車の用意はできておりますのでご案内いたします。」


「ありがとう。」


石井...…なんで震えてるの?


「秋本様....。先ほどの方は....。」


お父様のことね。


「偉い方よ。ちゃんと挨拶した?」


「はい.....。」


「青ざめた顔しないで。怒ってなかったから粗相はなかったみたいよ。」


安心させようと笑って見せたらなぜか赤くなってしまった。


「お勤めご苦労さま。では帰るわ。」


「はい。こちらはお任せ下さい。」


よかったわ。


頼もしい部下がいて。


-莉依紗side end-