誰?


私が行こうとしたら。


「お嬢様。私が参りますので、そのまま支度をなされませ。遅刻なさいますよ。」


やっぱ1週間たってもこういう生活慣れない。


慣れる日はいつ来るかな....。


取り敢えず桜井に引かれた椅子に座ったところで、部屋のドアをノックされた。


「ユリー!元気?」


「ああ夏菜か!おはよう。」


朝に私の家を訪れるの久しぶりだな....。


「俺も忘れるなよ。」


スっと夏菜の後ろから玲央が現れる。


夏菜と玲央はいつも一緒に来る。


お決まりのパターン。


「夏菜の後ろに玲央がいるのは小さい頃からのお決まりでしょ?忘れないよ。」


そう笑って返した。


「夏菜様。玲央様。ユリ様のお部屋に入ってお待ちいただきましょう。私が送りますので。
車の準備が整うまでしばらくお待ちください。」


私の部屋の扉を閉めようとしたとき。


「桜井さん。ちょっと話があるんだけど。夏菜とユリは中で待ってて。」


部屋を出ようとした桜井さんを玲央が呼び止める。


「いいけど....。何その自分の家みたいな言い方.....。」


そっと私は呟いた。


そういえばあの2人って会うの2回目じゃない?


何を話すんだろう……


「夏菜?」


「何?玲央がいなくなって寂しくなった?」


「え?全然違うけど。あの2人ってほとんど会ったことないんじゃないの?」


「さあ....。でも私には最初から初対面っていう感じには見えなかったよ?」


「やっぱりそう思う?」


「でも気のせいじゃない?深く掘り下げない方がいい気がする。」


「なんで?」


「ユリにもあるでしょ?いくら友達でも仲間でも.....幼馴染でも....。深く掘り下げてほしくない話.....。」


「.....。」


「でも私の勘だから。」


夏菜は小さく微笑んだ。


夏菜の勘はよく当たる。


聞いといたほうがいいかもね.....。