-シルバーside-


はぁ……。



冬休みということもあって学園は静まり返っている。


この学園の学園長は休みであろうと滅多に外には出られない。


生徒も学園にいる間は事務局の許可証が無ければ門番は通してくれない。


将来を担う人材を保護するためだって。


これはかなり昔に作られた掟。


だから、私は刑事だとユリに言ったけど、実際現場に行ったりするのは国松。


私は安楽椅子探偵みたいな状態。


前代未聞よ。


学園内に警察署があるのは....。


「どうしよう。学園長の仕事を全うしろって言われても。なにするのよ!」


学園長室で1人、逆ギレ状態。







ーコンコン


あら誰か来た。


逆ギレ状態から一転、学園長に戻った。


「入りなさい。」


我ながら見事な立ち居振る舞い………


「失礼します....…シルバー様。」


「あら、夏菜さん。どうしたのかしら?ご実家に戻らなくていいの?」


「いえ....。ユリの居所が分かるまで家に帰らないと言ったので....。実家も納得しておりますのでご安心を。」


なるほどね。


浅井家はユリの味方だったわね。