「ったく。お前の判断ミスがこのような事態を招いたんだぞ。分かってるよな?

しかもユリは亡くなってるそうじゃないか!!」


分かってる....。


分かっておりますわよ!お義父様....。


「はい。」


「お姉様....。」


沙那はとても不安そうな目で私を見つめてくる。


「お義父様。何でここに恵梨香がいるんですか?」


「莉依紗、それは私から言う。」


急に恵梨香が立ち上がり、細長い機械を机の上に置き、私のお父様に提出した。


「私の娘...。ご存じのこととは思いますが真理亜がやりました。証拠はこちらのボイスレコーダーでございます。

詳細は安田化粧品のご令嬢、安田理穂と美穂に命じて理穂はホールに誘導し監禁を、美穂はホールに火をつけました。

恐らく証拠隠滅のためだと思われます。

理穂は最初は真理亜のためになると思って独断でやったそうです。しかしそれを真理亜はあきれて....。」


「理穂に逃げてもらうように1億くらい持ってったのか....。」


「会長はご存じで....?」


「あぁ。うちの金庫から金がなくなってると聞いたのでな。」


「でも、ホールに火をつけたのは美穂です。行方は分かっておりません。」


「しかし、なぜ真理亜の母親がここにいるのだ?」


「金をもらった理穂が私のところにやってきたんです。真理亜様に捨てられた...って。

この金をもらったけど、この金を使って逃げることなんてできない。それを助けようと美穂が理穂へ、『今から監禁しているホールに火をつける』とメールしたそうで...。」


「ふむ....。アヤツは何がしたいのだ?」


「このボイスレコーダーは聞いて見なければ分からないが、調べてみる価値はある。莉依紗、ここは私に任せなさい。」


「分かりました。」






「お言葉ですが会長。」


お義父様に夏菜の執事、梶原が口をはさんだ。


「ユリ様はお亡くなりになっていません。」


「「え....??」」


夏菜と私以外はみんなどよめいた。