-梶原side-


最近お嬢様のご様子が悪い…。


「夏菜お嬢様?」


「えっ…?どうしたの?」


「お顔の様子が悪うございましたので…。」


「だって!ユリが.....。」


「ユリ様はいらっしゃいます。」


「心の中にとでも言うの!?私はそんな意見はのらないわよ!」


「まさか。本当の話でございます。」


少しお嬢様の目の色が変わった。


どこか遠くを見ていたような目。


「根拠は?」


「亡くなったという証拠がございません。」


きっぱりと言ってみた。


俺だって疑問だし。


「確かにそうね…。」


「私はその場には行けませんでしたが、火をつけられて消されるまで10分ほどだったとか。


それくらいなら逃げられます。」


「じゃあなんで....!」


溜まっていた涙がまた溢れはじめた。


「1人にして。」


「承知しました。」


いつになったらお嬢様の笑顔が見られるかな....。


-梶原side end-