「どういう意味ですか?」


涙を無理矢理止め、顔を上に向かせた。


だけどそれには答えなかった。


「そこに誰かいるんでしょ!出てらっしゃい!」


私を少し離し、後ろを振り向かず命令した。


「さすがは学園長。お見事でございます。」





出てきたのは見たことない女の人だった。


「安田美穂....?あの時の?」


シルバー様はぽつんとつぶやかれた。


「そうよ。そしてご存知だと思うけど理穂の姉でもあります。」


「何であなたがここにいるのかしら?すでに卒業して裃大に在籍しているはずよ。」


「理穂に頼まれましたの。お片づけはよろしくって。」


「「「は……?」」」


夏菜、玲央、葵の3人はポカーンとしていた。


「頼まれなくても私はやるわ。」


「なにするんだ?」


玲央が噛みつくように聞いた。


「あのときの失敗をもう一回やり直すのよ。あの方に頼まれて指示したのは私、実行したのは蟻川陽菜よ。」


あのとき。


その言葉を聞いて私は頭が急にクラクラした。


「ユリは分かったみたいね。そう、ここに火をつけて燃やすの。」


昔、私を幽閉したとき建物に火をつけた。


後から聞いた話だから詳しくは知らなかったんだけど。


「だから危ないと忠告を私たちに....。」


夏菜がポツリと呟いた。


「シルバー様はこの場所をどのようにお気づきになられたのかしら?」


「このホールの秘密口が少し使ったあとがあった。そこから予想したの。」


そう答えるシルバー様。