-玲央side-


くそっ!


ユリ何処だよ.....。


兄貴は早く来いよ。


大事な親友を傷つけたくないから。


しかし兄貴は第1執事だろ?


舞踏会終わってから俺にまかせることが多くなってないか?


本社出勤多くなったのはなんでだ?





俺は何気なくクリスマスホールの近くに来ていた。


校舎からかなり離れているから相当歩いたようだ。


ここ....最近使われてないはずなのになんで人気が?


その時。


ーカラカラカラ


なんの音....?


まさか!





俺は裏口の方に回ってみた。


「親父!?」


「玲央!お前なんでいるんだ!」


「こっちのセリフだ。俺はユリ様を捜しに.....。」


「お前第2だろ?理央は?」


「旦那様に呼ばれて本社だそうです。そして....中には?」


「中に奥様がいる。あと、付近に国松もいる。」


「え?じゃあ....。なんで見つけたことを知らせてくれなかったんですか?」


「奥様がお前たちに教える必要はないとおっしゃっていたそうだ。詳しくは直接聞いてみるといい。」


「そんな....。俺はそんなに....。」


俺はゆっくり地面にしゃがみこんだ。


だけど気を取り直してすぐに立ち上がり親父の方を向いた。


「俺も行く。」


俺を親父は少しだけ見据えた。


「分かった。」


「ありがとうございます。それでは。」




「俺らも行くぞ!」


「葵と夏菜.....。」


お前らいつの間に………


「奥様の命令に背くことになりますが、それは私が責任を取りますから。早く中に行きなさい。」


「親父。今は誰が責任取るとか関係ないと思います。それどころではないでしょう?」


「お前.....。久しく会わないうちに成長したな....。」


仏頂面の親父が少し笑みを浮かべたようにみえた。


俺らはそれを見送り中に入った。



-玲央side end-