「ユリさん?いるの....?」





うっすら目を開けた。


ボーッとする意識の中そんな声が聞こえてきた気がする。


私はまだ夢の中....?


こんな外れにあるホールになんか誰も来ないから幻聴よね………





「ユリさん!いるんでしょう。返事をしなさい。」


本当に誰か来たの!?


朦朧としていた意識が一瞬で吹っ飛んだ。





今気づいたけど...。


どうしよう....口がふさがれてて話せない.....。


足は両足一緒にして縛られてるしな....。


手は背中で猿ぐつわにされてるから動かないし....。




とりあえずあたりを頑張って見渡していると…。



あ...バケツがある!


ホールの倉庫とはいえなんでこんなところに....?


私はなんとか近づいてバケツを思いっきり蹴った。







ーカラカラカラ





軽い音が静かなホールに響きわたった。