-シルバーside-


クリスマスホールについた。


ここは高等部の校舎から歩いて30分以上はかかる。


だけどパーティーのような用途で使われているからみんな歩きなんかで来ないけど。




最近学園でミサが行われなくなったから久しぶりに来たわ...…。


ーガチャガチャ


なぜ鍵が入らないの?


ここの鍵は学園長しか持っていないのに………


勝手に付け替えられたのかしら?


この付近は人が来ることは滅多にないからいくらでも出来そうね。


…………どうしましょう。


「奥様!奥様!」


誰かが私を小さい声で呼ぶ。


「国松…?」


署から意外と早く戻ってこれたのね。


「何があったのかは大体予想できました。鍵を開けるのでしたらこれをお使いください。」


「さすがね。ありがとう。」


私は少し長細い針を国松からもらった。


昔お父様にピッキングを教えてもらったので多少はできるはず....。


付け替えられているけどこれぐらいの鍵だったら開けられるわ。


私は署で“ピッキングの腕は警視庁内で逸品の腕前”って言われているから。







試行錯誤して10分後。


「開いた!開いたわよ!」


「奥様!お見事です!」


「中に入りましょう。」


「私、竜也に伝えてきます。」


「よろしく。急いでね。」


ーガラリ


そっとドアを開ける。


定期的に建て直されているはずなので古くはなく、ドアは庭師が手入れしているようで錆びていない。


「ユリさん?いるの....?」





-シルバーside end-