お嬢様の秘密

-真理亜side-


まさか葵様にフラれるなんて....。


クラスのみんなに知られなくて良かった。


私のメンツが立たなくなってしまうもの。


でもいいわ。


もう少しいじめれば....。


あの子そろそろいなくなってくれそう。


ここまでクラスの人からの完全無視に耐えられると思ってなかったけど。






ーピロン


制服のポケットから携帯が鳴る。


誰よ....。


「もしもし?」


「真理亜様!もう少しであの子は死にます!」


理穂…………?


どうしたのかしら、かなり興奮気味な声ね。


いつもは私ではなくジャックに電話するのに………


「どうしてよ?」


「真理亜様が葵様を呼んでいる間にユリを監禁しました!」


私のアリバイは完璧ってことね。


だけど.....。


「この馬鹿者!何してんのよ!なんで、捕まる確率の高いマネするの!」


「真理亜様。捕まるのは真理亜様ではございません。


....陽菜です。」


陽菜に容疑を押し付けたのね.....。


長年ずっと理穂を信じてた私がバカだった。


私はもっと違うやり方をしたかったの。


危険な手を使わず、精神的に追い詰めていくやり方を.....。


極端な真似をするとお祖父様は本気で私を後継者に決定してくださらないかもしれない。


お祖父様に隠し事をするのはこの私でも不可能なことだし。


理穂はそれを分かっていると思ってたのに………


あの子を過信し過ぎたのかしら?