お嬢様の秘密

-シルバーside-


私は木にもたれてすこし考えていた。


あの話を聞いたあと、心当たりはあった。


誰も来ない絶好の場所がある。


それは…。


学園の最南端にある、クリスマスホール。


年に数回しか使わないけど、この学園にミサ用のホールがある。


それが通称クリスマスホール。


もちろん一般人は入れない。


一般人が入れるのは最北端のコミュホール。


それも日曜日にキリスト教徒のために開放しているだけだからほとんど行ったことがない。


なので、幽閉するならクリスマスホールが絶好の場所にあたる。


取り合えず国松に連絡しておくか....。


「今ちょうど一段落つきました。どうかなさいましたか?」


「ちょっといろいろね....。今抜けれる?」


「大丈夫です。係長に頼んできます。」


「じゃあ...。15分後にクリスマスホールで。」


「あのあまり使われないホールですね。かしこまりました。」


私が学園にいるときは国松が署に行くときが多い。


よりによってこんな時に....。





あとは竜也に....。


「もしもし?」


「私の考えをお聴きいただけますか?」


「もちろんよ。」


「クリスマスホールではございませんか?」


「私も同じ考えよ。これからそちらへ向かうわ。ちなみにあなたは今どこにいる?」


「奥様の後ろの木でございます。」


チラッと後ろを見るとこちらの方を伺いながら電話をしている竜也が見えた。


「あらさすが。じゃあ行くわよ。」


「夏菜様たちには...。」


「連絡を入れない方がいいわ。責任は私が取る。」


「かしこまりました。」


もうすぐ助けられるわよ....。


ユリさんあと少し待ってて....。


-シルバーside end-