どれくらい時間がたったか。


私は床に寝かされている。


口は布で塞がれ、手は後ろで羽交い締め。


閉められたときはこんな状態じゃなかったから、後から誰か来たってことだよね?


この状況....。


あの時と似てる....。





あの時の美穂って....。


誰だったんだろう………。






「あんた良い表情してるわね。」


突然声がした。


喋りたいけど無理だ。


「あら?話さないの?フフフ.....。それもそうね。あなた無理よね?口を塞がれてんだから。」


聞き覚えのある高笑い。


じゃああの時と同一犯?


「誰だか教えてあげる。


.....蟻川陽菜よ。これで分かったかしら?」


ニヤッと笑ったその顔はまさに悪役そのものだった。




うそ....。


どうやってこの学園に入ったの.....!


「私はB組。あなたの隣のクラスにいたわ。」


涼しい顔をした。


「ま、今回あなたを閉じ込めたのは理穂様。」


なんでこんなことするの......?


「助けなんて来ないでしょうね。ここは校舎から遠く離れた場所だから。」


目から涙が落ちそうになった。


こんなやつの前で泣きたくない…!


「あと、葵様は真理亜様に呼ばれていたから来ないわよ。」


勝ち誇った顔で私を見下ろした。


「こんな空気の悪いところにいたくないわ。じゃあね、秋本さん。」


私を数回蹴り飛ばし、出ていった。


私は痛さのあまり動けない。


私が2度も同じ目にあった理由は....?



一体何?