私、葵のこと...。




好きなのかな....?


きっとそうだよね。


前から思っていたことだと思うんだけど、2人に言われると確信を持ってしまう。




「あぁ。やっぱり。好きなのね。」


「ほんっと分かりやすいやつ。」


2人の幼なじみが隣でクスクスと笑っている。


「やっぱり好き....かな?」


「初恋?応援するから!ね!玲央。」


「おぅ。アイツに合うのはユリしかいねぇーから。」


「なんかそう言われると嬉しい。ありがとう....。」


やっぱり2人がいてくれると安心する。


裃まで一緒にいてくれる、そんな嬉しいことはないよね。


「葵から名前で呼べって言われたからそう呼んでるの。」


「お前絶対脈アリ!長年葵と親友の俺が言うから確実!」


「玲央の自信っていつもどこから出てくるの?不思議だよね。」


「私も玲央と同意見!ユリは自覚がなさすぎるのよ!」


何の自覚?


「夏菜、なんとかしよーぜ。ユリの無自覚。」


「いいわよ。ユリのためならなんだってする!」


「何をするの....?」


3人で顔を見合わせ自然に笑った。




この会話をだれかに聞かれていたとも知れずに。


もしわかっていたら。


心に深い傷を負わなくても良かったかも知れないのに。