ダンスパーティーの次の週。


ダンスパーティーが土曜日だったからね。


学校はなかったんだ。


最近ずっと校舎に行かなかったから久しぶりだな....。


久しぶりに夏菜と玲央と待ち合わせして校舎に向かった。




「久しぶり。急にどうしたの?」


「う...ん。なんとなく?怪我もおさまったし。」


ホントはまだ、痛みが残っている。


だけど学園の校医であるジャックに言われたんだ。


定期的に怪我の治療をしたいから校舎に来いって。


何か意図的なものが見え隠れしていたようだったけど....。


気にしないフリをした。





「なぁユリ。お前、葵のことどう思ってる?」


「へ....?」


まぬけた返事をしてしまった。


「葵ってさ、自分から話す方じゃねぇーんだよ。特に女には。そんな葵がお前に話しかけてるから。」


「それに高澤くんから誘われたんでしょ?ダンス。」


「そう....だね。2日とも、ドレスは葵のセレクト。」


似合うかどうかは別にして。


「ユリさ、なんで、“葵”って呼んでんの?アイツ女から名前で呼ばれんの嫌ってんのに。」


「え?」


あぁ.....。


なんだろう?


心配してくれた時に起きたドキドキがまた、胸のなかで踊ってる....。