「では説明を始めますね。
ところで今日からお嬢様の部屋はこちらになりますが、お気に召しましたか?」


「えぇ。」


私の趣味そのまま。


貧乏だった私の憧れがすべてここにある。


何で..??


「お嬢様のことは調べ済みでございますので。」


「いつから?」


「それは言わない方がよろしいでしょう。」


そこは隠すところ?


なんでそんなに隠し通す必要があるんだろう....?


一応両隣の2人にも聞いてみた。


「さあ。俺も知らねー」


「私も知らないな。」


私が知らない事をこの2人が知ってることがよくある。


そんな2人も知らないなんて.....。


まぁ1回2人に演技されて騙されたけどね。


「まず、これを見てください。」


そう言って渡されたのは、この家の構図だった。




「こんなに部屋があるの!?」


だってこの家4階建てだし、構図って言っても階段の位置ぐらいしか書かれていない。


「これって覚えられる?っていうかなんで階段とかエレベーターとかしか書かれていないの?」


「今お渡しした構図は避難経路でございます。
屋敷の方はまた後ほどお時間があるときに探検されてみてはいかがですか?」


「そうする.....。」


私は一応お母さんに記憶力を訓練されたからある方だけど、こんな構図だったら覚えられない。


この家ぜったい迷ったら出てこられない。


誘拐みたいなことがあったらこの家は絶好の場所だ。


そう確信した。


「では次にいきますね。」


桜井がそう言ってリモコンを取りだした。


すると....。