葵の部屋。


「っ....まだ痛い....。」


「だいぶひどいな。」


「でも、明日はちゃんと出るから。」


「その足でか?無理すんじゃねぇよ!」


怒った葵初めて見た...。


でもそれだけ心配してくれてるんだよね。


葵はそういうところが優しいよね....。


「でも迷惑かかるし....。葵に何か支障が出たら私のせいだよ....。」


恥をかくのは葵じゃない?


「んなこと気にすんなって。誰がお前のことを迷惑だって言ったんだ?何の支障が出るんだよ?俺は言ってねぇよな?」


「葵.....ありがとう....。」


今は座った私の後ろに葵がいる状態。


「理央兄に言われたけどさ。今日はここ部屋泊まれよ。」


は…?


今なんて…?


「理央兄が提案してきた。1人だと不安じゃないかって。ついでに薬も届けてくれたぞ。」


桜井....。


私が1人でいるのが嫌いなこと見抜いたんだ…。


「でもやっぱり....迷惑「かからないから。」


私の言葉を遮った。


私は葵にゆっくりと抱きしめられた。


最近は私の思ってることを察して抱きしめてくれるよね。


今までこんなこと夏菜しかしてくれなかったのにね。


私の鼻に葵の匂いが霞む...。


「俺が不安なんだよ....。」


いつも堂々としてる葵がこんな台詞を言うなんて…。


「分かった。じゃあ泊まらせてもらうね。」


「最初からそうしろよ。」


そして2人で顔を見合わせて笑いあった。




私は葵のベットに寝かせてもらった。


私はさっきソファーに座っていたので葵に運んでもらった。


右足に気をつかってゆっくりと私を降ろしてくれる。


「じゃあお休みなさい。」


「明日は起こしに来るからな。」


えっ?


まだ10時だよ?


もう行っちゃうの....?