お嬢様の秘密

-シルバーside-


あの女....!


なんてこと言ってくるのよ!


「シルバー様?いらっしゃいます?」


あら。


タイミング悪いわね....。


いつも通りに答えたつもりが妙な違和感を与えたみたい。


ユリさんが部屋を出るとき、少し強ばった顔をしてたから...。


これは私を怒らせているあの女のせいだわ!


あの娘に危害が及ぶ前になんとか手を打たなくては....。


「奥様。明日の準備が整いました。」


「ありがとう。」


「奥様…。只今22時でございますので、そろそろお休みなさっては…。」


「そうね…。」


「奥様、先ほど目つきがとても鋭うございました。ユリ様はとても怖がられていらっしゃいましたので、以後お気をつけくださいませ。」


「腕を突っついたりしてくれればすぐに直したのに………。」


「そういう訳にはまいりませんよ。来客時には黙って控えているのが執事の基本なのですよ。」


「そうだったわね………。」


「今日は十分にお休みくださいませ。」


明日はお義父様がいらっしゃるしね…。




だけど私はあの女のせいで眠れなかった。



-シルバーside end-