真理亜様の話で盛り上がっている場合ではなかった。


「ユリ様、葵様。シルバー様がお呼びです。」


そろそろ昼食の時間になろうかというところに、国松さんがじきじきに私たちのクラスに来た。


何だろう…?


「じゃあ夏菜、また後でね。」


「私は玲央といるから安心して。」


玲央だけだと夏菜が妬まれるんじゃないかと思ってこっそり桜井をつけておくことにした。


葵と一緒に呼ばれた私はクラスの注目の的となっていた。




「シルバー様失礼します。」


学園長室のドアを開けて葵が断って入った。


「来た来た。今度は11月にダンスパーティーがあるのよ。」


「ダンスパーティー?」


あと1ヶ月?


行事多いな.....。


「ユリ知らないのか?この学園は昔から将来の社交パーティーのために毎年ダンスパーティーが開かれるんだが聞いたことないか?」


「ユリさんはないと思うわ。学園祭と違ってダンスパーティーは会社の重役とかが来るから。学園生しか知らないのが普通と聞いているわ。」


「はい。確かに聞いたことはありません。」


「今年は学園祭と一緒にやらなかったんですね。」


「ちょっと私が出張入って…。昔から学園長がいないとやれないことになっているから。」


学園祭は学園長なしでもいけるけど、財界や政界のお偉いさんが来るダンスパーティーはそうはいかないらしい。


学園に代表者として学園長が仕切らなければならない上に、校長はいることはいるけど権限がないそう。


たいへんだなぁ....。


「でも、なんで私たちを呼んだんですか?」


「学園祭の役員をやっていた人に...数人だけどね。ダンスパーティーも役員をやってもらうことになってるの。」


「その数人に私たちを選んだってことですか?」


「そうよ。だってあなた達が一番優秀なんだもの。」


歴代No.1よ、とウィンク付き。