翌日。


教室には楽しそうな話し声。


「ですよね!真理亜様!」


「さすがですわ!」


どうやら人気のようだ。


教室の扉を開けて席に着こうとしたとたん。


突然真理亜は私たちの方を見た。


「あら、ユリさんたち、ごきげんよう。」


「ごきげんよう。」


あいさつの返し方がわからない私の代わりに夏菜が答えてくれた。


言葉を返しながら私をバレないように夏菜の後ろに隠れるようにしてくれた。





改めてみると真理亜様ってすごく綺麗な人。


胸にかかるくらいある髪は緩めにカールがかかってて。


目は二重瞼の大きめ。


鼻筋が綺麗に通っている。


口は小さくて薄めのピンク色。


美人とも言えるし可愛いとも言える。


制服ではなくワンピース風の膝丈のドレスを着ていたけど、体の曲線美がよくわかる。


男子なんて胸元に目が集中しちゃってるし。


きっとトップクラスの財閥の令嬢だろう。


雰囲気が完全に権力を漂わせてる。


みんなの態度からしても。


なんて私の勝手な想像だけど....。


さっき挨拶したとき警戒心の欠片も沸かなかった。


危ない人だなんて疑って悪かったなと思う。


優しそうな人だ。



なんて、このときは甘く見ていたんだ。